現場監督のCALSカメラ選び工事用デジカメのオリンパスとリコーを比較

工事現場用デジカメのおすすめ比較です。現場監督が使うカメラを、オリンパス(olympus)とリコー(RICOH)のデジカメにしぼり、比較しました

新しく工事用デジカメを購入する時って、どれにするか迷います。でも、多くはオリンパスリコーのデジカメを使っているのではないでしょうか?

そこで、選ぶ基準として

  1. 値段ー安いほうがいい
  2. CALS対応-あったほうがいい
  3. 有効画素数ー大きいほうがいい
  4. 広角(焦点距離)ー広く撮影できたほうがいい
  5. 明るさ(開放F値)ー明るいほうがいい
  6. 撮影できる範囲(レンズ先端より)ー広いほうがいい
  7. 静止画記録画素数ー100万画素から300万画素がいい
  8. 写真の横縦比(アスペクト比)ー4:3がいい(アスベスト比ではありません:コメント欄で指摘あり)
  9. 液晶モニターのサイズー大きいほうがいい
  10. 防水・防塵・耐衝撃ー必要だ
  11. カメラの大きさ(幅・高さ・奥行き)ー小さい方がいい
  12. 重さー軽いほうがいい
  13. 電源(電池が使えるか)ー電池も使えたほうがいい

以上の項目について、比較しておすすめ順にしました。

比較した工事用カメラは

オリンパス(olympus)オリンパス←公式ページ

・TG-5工一郎ー↓

・Tough(タフ) TGー5ー↓

リコー(RICOH)商品・サービス|リコー←公式ページ

・G800ー↓

・WG-50ー↓

4機種です。

尚、国交省の電子納品CALSの工事写真管理基準によると

有効画素数は、黒板の文字及び撮影対象が確認できることを指標(100万~300万画素程度=1,200×900程度~2,000×1,500程度)として設定する。

デジタル写真管理情報基準【平成28年3月】

となっています。

工事用デジカメを選び方は

ポイント
  1. 有効画素数が、100万画素程度から300万程度のサイズが選べて
  2. 写真サイズの横と縦の割合(アスペクト比)は?(4:3とか3:2とか)

横と縦の比率が違うと、工事写真帳に貼り付けた時、おかしい!

以上、現場に携わる者として、比較してみました。工事用デジカメを選ぶ際の参考にしていただければ幸いです。

尚、実際に使われる方を想像して、最後のほうに、おすすめポイントと、ランキングを掲載しています。

工事用デジカメの値段比較

やはり、価格は最初に気になるので、最初に載せておきます。

1.公式ページ(公式通販ページ)2.アスクル3.アマゾンの3つを載せておきます(詳細はご確認下さい)

オリンパス(olympus)

TG-5工一郎

  1. 71,280円(公式)
  2. 71,280円(アスクル)
  3. 65,600円(アマゾン)

Tough(タフ) TGー5

  1. 55,080円(公式)
  2. 55,080円(アスクル)
  3. 47,900円(アマゾン)

リコー(RICOH)

G800

  1. 99,000円(公式)
  2. 73,224円(アスクル)
  3. 55,011円(アマゾン)

WG-50

  1. 35,100円(公式)
  2. わかりません(アスクル)
  3. 27,762円

公式(通販)ページをみると、リコーG800が一番高いです。しかし、アマゾンではそうとは限りません。

価格が安い順に並べると

  1. リコーのWG-50
  2. オリンパスのTough(タフ) TGー5
  3. オリンパスのTG-5工一郎かリコーのG800

となります。それぞれに特徴がありますので、ご説明します。

工事用カメラの性能比較

ここからは、少し長いけれど、おつきあい下さい。

CALSモードの有無

オリンパス(olympus)

  • TG-5工一郎(CALS対応モード有り)
  • Tough(タフ) TGー5(CALS対応モード無し)

リコー(RICOH)

  • G800(CALS対応モード有り)
  • WG-50(CALS対応モード有り)

上記4機種の内、オリンパスのTough(タフ) TGー5だけは、CALS対応モードはありません。これは工事現場に限らず、一般にアウトドアでも使う用途に対応しているからです。

しかし、現場で使っても問題ありませんので、このまま読み進めて下さい。

有効画素数

オリンパス(olympus)

  • TG-5工一郎(1200万画素)
  • Tough(タフ) TGー5(1200万画素)

リコー(RICOH)

  • G800(1600万画素)
  • WG-50(1600万画素)

有効画素数を比べると、リコー(RICOH)のデジカメのほうが 高くなっています。

しかし、工事写真(手のひらサイズ以下の大きさ)として、100万画素から300万画素の写真を使うのであれば、1200万画素と1600万画素の違いは、ほとんどありません。(A4サイズ以上のサイズにすれば違いがわかるかも・・・)

参考:有効画素数とは、実際にレンズを通して画像データとして撮影できる画素数のことです。

焦点距離(35mm換算)

オリンパス(olympus)

  • TG-5工一郎(25mm~100mm)
  • Tough(タフ) TGー5(25mm~100mm)

リコー(RICOH)

  • G800(28mm~140mm)
  • WG-50(28mm~140mm)

焦点距離は、オリンパスのカメラは25mm~、リコーのデジカメは28mm~の違いがあります。この3mmの差は、

感覚として、撮影したい幅が5mだとして、

オリンパスのデジカメで、左右ギリギリ入るところから撮影する。

リコーのカメラだと、あと1歩(1m弱)後ろに下がると同じように撮れる。(角度として5・6度)

つまり、少しだけオリンパスのデジカメのほうが広角で撮影できる。

ということです。(この差を大きいと考えるか、大したことはないと考えるかはご判断下さい!)

開放F値

オリンパス(olympus)

  • TG-5工一郎(W2.0~T4.9)
  • Tough(タフ) TGー5(W2.0~T4.9)

リコー(RICOH)

  • G800(W3.5~T5.5)
  • WG-50(W3.5~T5.5)

オリンパスのカメラのほうが数値が小さいので、明るいということです。それ以上はわかりません。参考までに、

開放F値(W2.0~T4.9)とは

「F2.0からF4.9の間で変化することを意味しています。W2.0のWとはワイドのことで、ズームの広角側ではF2.0の明るさであり、ズーム機能を使って望遠側(Tはテレの意味)にするとF値はF4.9に下がる」ということです。

 

撮影範囲(レンズ先端より)

オリンパス(olympus)

  • TG-5工一郎(0.1m~∞ 顕微鏡:0.01m~0.30m)
  • Tough(タフ) TGー5(0.1m~∞ 顕微鏡:0.01m~0.30m)

リコー(RICOH)

  • G800(0.3m~∞ 顕微鏡:0.01m~∞)
  • WG-50(0.1m~∞ 顕微鏡:0.01m~0.30m)

レンズ先端からの撮影範囲は、どのカメラも、それほど違いがないと考えてよさそうです。

顕微鏡モードは、ノギスのアップを撮影する時に役立ちます。

静止画記録画素数

オリンパス(olympus)

TG-5工一郎

  • 1.2M(CALS)1280×960≒120万画素
  • 2.8M(CALS H)1920×1440≒280万画素

Tough(タフ) TGー5

  • 1280×1024≒130万画素
  • 1600×1200≒200万画素
  • 2048×1568≒320万画素

リコー(RICOH)

G800

  • 1280×960≒120万画素
  • 2M1600×1200≒200万画素
  • 3M2048×1536≒310万画素

WG-50

  • 1280×960≒120万画素
  • 2M1600×1200≒200万画素
  • 3M2048×1536≒310万画素

どのデジカメを選んでも、CALS(100万~300万画素程度)に対応した工事写真が撮影できます。

オリンパスのTough(タフ) TGー5は、キャルス対応モードはありません(前述)が、電子納品用のデジカメとしても使えます。

ただ、次のアスペクト比には注意して下さい。

アスペクト比(写真の横と縦の比率)

オリンパス(olympus)

  • TG-5工一郎(4:3 1.33)
  • Tough(タフ) TGー5(1.25/1.33/1.31

リコー(RICOH)

  • G800(4:3 1.33)
  • WG-50(4:3 1.33)

オリンパスもリコーもCALS対応モードがあるカメラは、

アスペクト比は、4:3

写真の縦が1に対して、横が1.33

です。

選ぶ際、注意が必要なのは、オリンパスのTough(タフ) TGー5です。

  • 1280×1024≒130万画素(1.25=1280÷1024)
  • 1600×1200≒200万画素(1.33≒1600÷1200)←コレ
  • 2048×1568≒320万画素(1.31≒2048÷1568)

となっているので、130万画素か320万画素程度で撮影すると、他のカメラと写真の縦横比率が違うので、違うデジカメで撮った工事写真と一緒にすると

少し変になってしまいます。

しかし、解決策はあります。

オリンパスのTough(タフ) TGー5を選ぶなら、

1600×1200≒200万画素(1.33≒1600÷1200)←コレ

で撮影するようにすれば、問題ありません。

モニターサイズ

オリンパス(olympus)

  • TG-5工一郎(3.0型液晶モニター)
  • Tough(タフ) TGー5(3.0型液晶モニター)

リコー(RICOH)

  • G800(3.0型液晶モニター)
  • WG-50(2.7型液晶モニター)

カメラのモニターサイズは、リコーのWG-50以外は、3.0型です。

リコーWGー50のモニターサイズ(2.7型)は、ひと回り小さい(横長)のは、カメラの大きさがコンパクトになっているためです。

防水機能

オリンパス(olympus)

  • TG-5工一郎(JIS/IEC保護等級8級(IPX8)相当)
  • Tough(タフ) TGー5(JIS/IEC保護等級8級(IPX8)相当)

リコー(RICOH)

  • G800(JIS/IEC保護等級8級(IPX8)相当)
  • WG-50(JIS/IEC保護等級8級(IPX8)相当)

防水機能は、どの機種も現場で使うことを考慮しているので、問題ありません。

  1. オリンパスのTG-5工一郎とTough(タフ) TGー5は、水中15m防水
  2. リコーのG800は、水深5mで2時間撮影可能
  3. リコーのWG-50は、水中14m防水

となっています。

防塵機能

オリンパス(olympus)

  • TG-5工一郎(JIS/IEC保護等級6級(IP6X)相当)
  • Tough(タフ) TGー5(JIS/IEC保護等級6級(IP6X)相当)

リコー(RICOH)

  • G800(JIS/IEC保護等級6級(IP6X)相当)
  • WG-50(JIS/IEC保護等級6級(IP6X)相当)

防塵対策も問題ありません。

耐衝撃

オリンパス(olympus)

  • TG-5工一郎(2.1m耐衝撃構造)
  • Tough(タフ) TGー5(2.1m耐衝撃構造)

リコー(RICOH)

  • G800(1.6m耐衝撃構造)
  • WG-50(2.0m耐衝撃構造)

オリンパスもリコーも変わりないと考えていいのではないでしょうか。

大きさ(幅×高さ×奥行き:単位はmm)

オリンパス(olympus)

  • TG-5工一郎(113×66×31.9)
  • Tough(タフ) TGー5(113×66×31.9)

リコー(RICOH)

  • G800(118.8×71×41)
  • WG-50(122.5×61.5×29.5)←コンパクト

リコーのG800が一番大きく、続いてオリンパス(TG-5工一郎・タフTG-5)、最もコンパクトなのが、リコーWGー50です。

リコーのWG-50は、胸ポケットにもすっぽり収まります。

CIPA(カメラ映像機器工業会)の規格に従っています。

質量(重さ:単位はg)

オリンパス(olympus)

  • TG-5工一郎(250g)
  • Tough(タフ) TGー5(250g)

リコー(RICOH)

  • G800(318g)
  • WG-50(195g)

カメラの重さは、リコーのWGー50が最も軽く、195g。オリンパスのデジカメと比べても、約50g違います。たった50gでも持った感じはずいぶん軽い感覚です。

しかし、リコーWG-50は、コンパクトなだけに、ズームレバーやシャッターボタンも小さいので、使い勝手は好みによります。

電源

オリンパス(olympus)

  • TG-5工一郎(リチウムイオン充電池)
  • Tough(タフ) TGー5(リチウムイオン充電池)

リコー(RICOH)

  • G800(リチャージャブルバッテリーまたは単4形アルカリ電池2本
  • WG-50(リチウムイオンバッテリー)

リコーのG800以外は、アルカリ電池が使えません。「あっ!充電がなくなった」というときには、内蔵バッテリーを外して、充電しなければいけません。(充電池が2個あれば問題ありませんが・・)

いや、やっぱり市販のアルカリ電池が使えないと・・・とお考えなら、リコーG800一択です。

工事用デジカメ比較表

ここまでを比較表にまとめました。

項目 TGー5工一郎 ToughTG-5 RICOHG800 WG-50
 メーカー オリンパス オリンパス リコー リコー
有効画素数 1200万画素 1200万画素 1600万画素 1600万画素
焦点距離35mm換算 25mm~100mm 25mm~100mm 28mm~140mm 28mm~140mm
開放F値 w2.0~T4.9 w2.0~T4.9 W3.5~T5.5 W3.5~T5.5
撮影範囲 0.1m~∞ 0.1m~∞ 0.3m~∞ 0.1m~∞
(レンズ先端より) 顕微鏡:0.01m~0.30m 顕微鏡:0.01m~0.30m 顕微鏡:0.01m~∞ 顕微鏡:0.01m~0.30m
静止画記録画素数 2.8M CALS H 1280×1024 3M2048×1536 3M2048×1536
1920×1440 1600×1200 2M1600×1200 2M1600×1200
1.2M CALS 2048×1568 1280×960 1280×960
1280×960 CALSモード CALSモード
アスペクト比 4:3 1.33 1.25 1.33  1.306 4:3 1.33 4:3 1.33
モニターサイズ 3.0型液晶モニター 3.0型液晶モニター 3.0型 2.7型ワイド
防水機能 JIS/IEC保護等級8級(IPX8)相当 JIS/IEC保護等級8級(IPX8)相当 JIS/IEC保護等級8級(IPX8)相当 JIS/IEC保護等級8級(IPX8)相当
防塵機能 JIS/IEC保護等級6級(IP6X)相当 JIS/IEC保護等級6級(IP6X)相当 JIS/IEC保護等級6級(IP6X)相当 JIS/IEC保護等級6級(IP6X)相当
大きさ 幅×高さ×奥行き 幅×高さ×奥行き 幅×高さ×奥行き 幅×高さ×奥行き
CIPA準拠 113×66×31.9 113×66×31.9 118.8×71×41 122.5×61.5×29.5
質量 250g 250g 318g 195g
CIPA準拠 電池・カード含む 電池・カード含む 電池・カード含む 電池・カード含む
防水 水中15m防水 水中15m防水 水深5mで2時間撮影可能 水中14m防水
耐衝撃 2.1m耐衝撃構造 2.1m耐衝撃構造 2.0m耐衝撃構造 1.6m耐衝撃構造
特色2 広角 広角 乾電池 コンパクト
特色2 GPS有 丈夫そう 一番安い
公式 71,280 55,080 99,000 35,100
アスクル 71,280 55,080 73,224 不明
アマゾン 65,600 47,900 55,011 27,762

オリンパスのデジカメの比較表

TGー5工一郎Tough TGー5の違いを表にしてみました。

項目 TG-5 工一郎 TG-5
(一般モデル)
電源 ON 時の CALS L
画像サイズ初期設定 (1280×960 ピクセル) (4000×3000 ピクセル)
選択できる CALS / CALS H / L S / M / L
JPEGサイズ設定
RAW 画質モード なし あり
工事写真用 [工事写真クリアモード1 / 2 / 3] なし
撮影モード [スローシャッター] [資料モード]
[屋内撮影] [パノラマ]
日時設定関係 日時設定をしないと撮影できない 日時設定をしなくても撮影できる
(日付設定忘れ防止) 地域 / ワールドタイム機能なし 地域 / ワールドタイム機能あり
撮影時静止画録音 あり (撮影後 4 秒) なし
オリジナル画像判定 あり なし
写真振り分け機能 あり なし
(対応ソフトウェア) (蔵衛門御用達12~17 が対応)
罫線表示 方眼 (朱色) 方眼 / 黄金分割
黄金分割 (グレー) (いずれもグレー)
表示言語切替 日本語のみ 日本語/英語含む 34言語
カメラ保険 あり なし

おすすめポイント・ランキング

4機種それぞれのおすすめポイントです。

【オリンパス】TG-5工一郎

私はコレを使ってます。少しでも広角レンズがよいと考えました。また、工事写真ソフトで『蔵衛門』をお使いでしたらこれでしょう(連動できます)

GPS機能(緯度経度表示)もあります。必要なら便利ですが、充電バッテリーの消費ははやいです。

【オリンパス】Tough TGー5

cals対応の専用設定機能はありませんが、工事用カメラとして何も問題ありません。広角がいいけど、上記の工一郎はチョットとお考えなら、これでしょう!

また、水中写真用なら、専用の水中カバー(別売り)を購入されたらベストです。

【リコー】G800

昔のコニカの定番『現場監督』を連想します。1番丈夫そうな雰囲気です。乾電池が使える工事用デジカメをお探しなら、これ一択です。

【リコー】WG-50

電子納品対応カメラで、もっともリーズナブルです。カメラを壊してしまい、自腹で買わなければいけなくなった方は、とりあえずコレにしてください。

安いからといって、まったく遜色ありません。1番コンパクトなので、ポケットにしまうのも簡単です。他のデジカメを買うつもりなら、このリコーWG-50は、2個買えますよ!

おすすめランキング

トータルバランスで選ぶなら、【オリンパス】TG-5工一郎

安さで選ぶなら、【リコー】WGー50

乾電池式が便利とお考えなら、【リコー】G800

広角カメラがよいとお考えなら、【オリンパス】Tough(タフ)TGー5

上記の4機種は、すべて、国交省の電子納品CALSの工事写真管理基準

有効画素数は、黒板の文字及び撮影対象が確認できることを指標(100万~300万画素程度=1,200×900程度~2,000×1,500程度)として設定する。

平成28年3月

に対応した、現場監督が工事現場で使用できるcals対応デジカメです。

以上となります。

2 Comments

明日もがっちり

榊原様、ご指摘ありがとうございます。「アスペクト比」ですね。
アスベストは石綿です。
アスペクト比が違うと工事写真整理しにくいです。反映させていただきました。

返信する

榊原文弘 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)