工事現場用のデジカメのおすすめ比較です。現場監督が使うカメラを、オリンパス(olympus)とリコー(RICOH)のデジカメにしぼり、比較しました
新しく工事用デジカメを購入する時って、どれにするか迷います。でも、多くはオリンパスかリコーのデジカメを使っているのではないでしょうか?
そこで、選ぶ基準として
- 値段ー安いほうがいい
- CALS対応-あったほうがいい
- 有効画素数ー大きいほうがいい
- 広角(焦点距離)ー広く撮影できたほうがいい
- 明るさ(開放F値)ー明るいほうがいい
- 撮影できる範囲(レンズ先端より)ー広いほうがいい
- 静止画記録画素数ー100万画素から300万画素がいい
- 写真の横縦比(アスペクト比)ー4:3がいい(アスベスト比ではありません:コメント欄で指摘あり)
- 液晶モニターのサイズー大きいほうがいい
- 防水・防塵・耐衝撃ー必要だ
- カメラの大きさ(幅・高さ・奥行き)ー小さい方がいい
- 重さー軽いほうがいい
- 電源(電池が使えるか)ー電池も使えたほうがいい
以上の項目について、比較しておすすめ順にしました。
比較した工事用カメラは
オリンパス(olympus)オリンパス←公式ページ
・TG-5工一郎ー↓
・Tough(タフ) TGー5ー↓
リコー(RICOH)商品・サービス|リコー←公式ページ
・G800ー↓
・WG-50ー↓
の4機種です。
尚、国交省の電子納品CALSの工事写真管理基準によると
有効画素数は、黒板の文字及び撮影対象が確認できることを指標(100万~300万画素程度=1,200×900程度~2,000×1,500程度)として設定する。
となっています。
工事用デジカメを選び方は
- 有効画素数が、100万画素程度から300万程度のサイズが選べて
- 写真サイズの横と縦の割合(アスペクト比)は?(4:3とか3:2とか)
~横と縦の比率が違うと、工事写真帳に貼り付けた時、おかしい!
以上、現場に携わる者として、比較してみました。工事用デジカメを選ぶ際の参考にしていただければ幸いです。
尚、実際に使われる方を想像して、最後のほうに、おすすめポイントと、ランキングを掲載しています。
工事用デジカメの値段比較
やはり、価格は最初に気になるので、最初に載せておきます。
1.公式ページ(公式通販ページ)2.アスクル3.アマゾンの3つを載せておきます(詳細はご確認下さい)
オリンパス(olympus)
TG-5工一郎
- 71,280円(公式)
- 71,280円(アスクル)
- 65,600円(アマゾン)
Tough(タフ) TGー5
- 55,080円(公式)
- 55,080円(アスクル)
- 47,900円(アマゾン)
リコー(RICOH)
G800
- 99,000円(公式)
- 73,224円(アスクル)
- 55,011円(アマゾン)
WG-50
- 35,100円(公式)
- わかりません(アスクル)
- 27,762円
公式(通販)ページをみると、リコーG800が一番高いです。しかし、アマゾンではそうとは限りません。
価格が安い順に並べると
- リコーのWG-50
- オリンパスのTough(タフ) TGー5
- オリンパスのTG-5工一郎かリコーのG800
となります。それぞれに特徴がありますので、ご説明します。
工事用カメラの性能比較
ここからは、少し長いけれど、おつきあい下さい。
CALSモードの有無
オリンパス(olympus)
- TG-5工一郎(CALS対応モード有り)
- Tough(タフ) TGー5(CALS対応モード無し)
リコー(RICOH)
- G800(CALS対応モード有り)
- WG-50(CALS対応モード有り)
上記4機種の内、オリンパスのTough(タフ) TGー5だけは、CALS対応モードはありません。これは工事現場に限らず、一般にアウトドアでも使う用途に対応しているからです。
しかし、現場で使っても問題ありませんので、このまま読み進めて下さい。
有効画素数
オリンパス(olympus)
- TG-5工一郎(1200万画素)
- Tough(タフ) TGー5(1200万画素)
リコー(RICOH)
- G800(1600万画素)
- WG-50(1600万画素)
有効画素数を比べると、リコー(RICOH)のデジカメのほうが 高くなっています。
しかし、工事写真(手のひらサイズ以下の大きさ)として、100万画素から300万画素の写真を使うのであれば、1200万画素と1600万画素の違いは、ほとんどありません。(A4サイズ以上のサイズにすれば違いがわかるかも・・・)
参考:有効画素数とは、実際にレンズを通して画像データとして撮影できる画素数のことです。
焦点距離(35mm換算)
オリンパス(olympus)
- TG-5工一郎(25mm~100mm)
- Tough(タフ) TGー5(25mm~100mm)
リコー(RICOH)
- G800(28mm~140mm)
- WG-50(28mm~140mm)
焦点距離は、オリンパスのカメラは25mm~、リコーのデジカメは28mm~の違いがあります。この3mmの差は、
感覚として、撮影したい幅が5mだとして、
オリンパスのデジカメで、左右ギリギリ入るところから撮影する。
リコーのカメラだと、あと1歩(1m弱)後ろに下がると同じように撮れる。(角度として5・6度)
つまり、少しだけオリンパスのデジカメのほうが広角で撮影できる。
ということです。(この差を大きいと考えるか、大したことはないと考えるかはご判断下さい!)
開放F値
オリンパス(olympus)
- TG-5工一郎(W2.0~T4.9)
- Tough(タフ) TGー5(W2.0~T4.9)
リコー(RICOH)
- G800(W3.5~T5.5)
- WG-50(W3.5~T5.5)
オリンパスのカメラのほうが数値が小さいので、明るいということです。それ以上はわかりません。参考までに、
開放F値(W2.0~T4.9)とは
「F2.0からF4.9の間で変化することを意味しています。W2.0のWとはワイドのことで、ズームの広角側ではF2.0の明るさであり、ズーム機能を使って望遠側(Tはテレの意味)にするとF値はF4.9に下がる」ということです。
撮影範囲(レンズ先端より)
オリンパス(olympus)
- TG-5工一郎(0.1m~∞ 顕微鏡:0.01m~0.30m)
- Tough(タフ) TGー5(0.1m~∞ 顕微鏡:0.01m~0.30m)
リコー(RICOH)
- G800(0.3m~∞ 顕微鏡:0.01m~∞)
- WG-50(0.1m~∞ 顕微鏡:0.01m~0.30m)
レンズ先端からの撮影範囲は、どのカメラも、それほど違いがないと考えてよさそうです。
顕微鏡モードは、ノギスのアップを撮影する時に役立ちます。
静止画記録画素数
オリンパス(olympus)
TG-5工一郎
- 1.2M(CALS)1280×960≒120万画素
- 2.8M(CALS H)1920×1440≒280万画素
Tough(タフ) TGー5
- 1280×1024≒130万画素
- 1600×1200≒200万画素
- 2048×1568≒320万画素
リコー(RICOH)
G800
- 1280×960≒120万画素
- 2M1600×1200≒200万画素
- 3M2048×1536≒310万画素
WG-50
- 1280×960≒120万画素
- 2M1600×1200≒200万画素
- 3M2048×1536≒310万画素
どのデジカメを選んでも、CALS(100万~300万画素程度)に対応した工事写真が撮影できます。
オリンパスのTough(タフ) TGー5は、キャルス対応モードはありません(前述)が、電子納品用のデジカメとしても使えます。
ただ、次のアスペクト比には注意して下さい。
アスペクト比(写真の横と縦の比率)
オリンパス(olympus)
- TG-5工一郎(4:3 1.33)
- Tough(タフ) TGー5(1.25/1.33/1.31)
リコー(RICOH)
- G800(4:3 1.33)
- WG-50(4:3 1.33)
オリンパスもリコーもCALS対応モードがあるカメラは、
アスペクト比は、4:3
写真の縦が1に対して、横が1.33
です。
選ぶ際、注意が必要なのは、オリンパスのTough(タフ) TGー5です。
- 1280×1024≒130万画素(1.25=1280÷1024)
- 1600×1200≒200万画素(1.33≒1600÷1200)←コレ
- 2048×1568≒320万画素(1.31≒2048÷1568)
となっているので、130万画素か320万画素程度で撮影すると、他のカメラと写真の縦横比率が違うので、違うデジカメで撮った工事写真と一緒にすると
少し変になってしまいます。
しかし、解決策はあります。
オリンパスのTough(タフ) TGー5を選ぶなら、
1600×1200≒200万画素(1.33≒1600÷1200)←コレ
で撮影するようにすれば、問題ありません。
モニターサイズ
オリンパス(olympus)
- TG-5工一郎(3.0型液晶モニター)
- Tough(タフ) TGー5(3.0型液晶モニター)
リコー(RICOH)
- G800(3.0型液晶モニター)
- WG-50(2.7型液晶モニター)
カメラのモニターサイズは、リコーのWG-50以外は、3.0型です。
リコーWGー50のモニターサイズ(2.7型)は、ひと回り小さい(横長)のは、カメラの大きさがコンパクトになっているためです。
防水機能
オリンパス(olympus)
- TG-5工一郎(JIS/IEC保護等級8級(IPX8)相当)
- Tough(タフ) TGー5(JIS/IEC保護等級8級(IPX8)相当)
リコー(RICOH)
- G800(JIS/IEC保護等級8級(IPX8)相当)
- WG-50(JIS/IEC保護等級8級(IPX8)相当)
防水機能は、どの機種も現場で使うことを考慮しているので、問題ありません。
- オリンパスのTG-5工一郎とTough(タフ) TGー5は、水中15m防水
- リコーのG800は、水深5mで2時間撮影可能
- リコーのWG-50は、水中14m防水
となっています。
防塵機能
オリンパス(olympus)
- TG-5工一郎(JIS/IEC保護等級6級(IP6X)相当)
- Tough(タフ) TGー5(JIS/IEC保護等級6級(IP6X)相当)
リコー(RICOH)
- G800(JIS/IEC保護等級6級(IP6X)相当)
- WG-50(JIS/IEC保護等級6級(IP6X)相当)
防塵対策も問題ありません。
耐衝撃
オリンパス(olympus)
- TG-5工一郎(2.1m耐衝撃構造)
- Tough(タフ) TGー5(2.1m耐衝撃構造)
リコー(RICOH)
- G800(1.6m耐衝撃構造)
- WG-50(2.0m耐衝撃構造)
オリンパスもリコーも変わりないと考えていいのではないでしょうか。
大きさ(幅×高さ×奥行き:単位はmm)
オリンパス(olympus)
- TG-5工一郎(113×66×31.9)
- Tough(タフ) TGー5(113×66×31.9)
リコー(RICOH)
- G800(118.8×71×41)
- WG-50(122.5×61.5×29.5)←コンパクト
リコーのG800が一番大きく、続いてオリンパス(TG-5工一郎・タフTG-5)、最もコンパクトなのが、リコーWGー50です。
リコーのWG-50は、胸ポケットにもすっぽり収まります。
CIPA(カメラ映像機器工業会)の規格に従っています。
質量(重さ:単位はg)
オリンパス(olympus)
- TG-5工一郎(250g)
- Tough(タフ) TGー5(250g)
リコー(RICOH)
- G800(318g)
- WG-50(195g)
カメラの重さは、リコーのWGー50が最も軽く、195g。オリンパスのデジカメと比べても、約50g違います。たった50gでも持った感じはずいぶん軽い感覚です。
しかし、リコーWG-50は、コンパクトなだけに、ズームレバーやシャッターボタンも小さいので、使い勝手は好みによります。
電源
オリンパス(olympus)
- TG-5工一郎(リチウムイオン充電池)
- Tough(タフ) TGー5(リチウムイオン充電池)
リコー(RICOH)
- G800(リチャージャブルバッテリーまたは単4形アルカリ電池2本)
- WG-50(リチウムイオンバッテリー)
リコーのG800以外は、アルカリ電池が使えません。「あっ!充電がなくなった」というときには、内蔵バッテリーを外して、充電しなければいけません。(充電池が2個あれば問題ありませんが・・)
いや、やっぱり市販のアルカリ電池が使えないと・・・とお考えなら、リコーG800一択です。
工事用デジカメ比較表
ここまでを比較表にまとめました。
項目 | TGー5工一郎 | ToughTG-5 | RICOHG800 | WG-50 |
---|---|---|---|---|
メーカー | オリンパス | オリンパス | リコー | リコー |
有効画素数 | 1200万画素 | 1200万画素 | 1600万画素 | 1600万画素 |
焦点距離35mm換算 | 25mm~100mm | 25mm~100mm | 28mm~140mm | 28mm~140mm |
開放F値 | w2.0~T4.9 | w2.0~T4.9 | W3.5~T5.5 | W3.5~T5.5 |
撮影範囲 | 0.1m~∞ | 0.1m~∞ | 0.3m~∞ | 0.1m~∞ |
(レンズ先端より) | 顕微鏡:0.01m~0.30m | 顕微鏡:0.01m~0.30m | 顕微鏡:0.01m~∞ | 顕微鏡:0.01m~0.30m |
静止画記録画素数 | 2.8M CALS H | 1280×1024 | 3M2048×1536 | 3M2048×1536 |
1920×1440 | 1600×1200 | 2M1600×1200 | 2M1600×1200 | |
1.2M CALS | 2048×1568 | 1280×960 | 1280×960 | |
1280×960 | CALSモード | CALSモード | ||
アスペクト比 | 4:3 1.33 | 1.25 1.33 1.306 | 4:3 1.33 | 4:3 1.33 |
モニターサイズ | 3.0型液晶モニター | 3.0型液晶モニター | 3.0型 | 2.7型ワイド |
防水機能 | JIS/IEC保護等級8級(IPX8)相当 | JIS/IEC保護等級8級(IPX8)相当 | JIS/IEC保護等級8級(IPX8)相当 | JIS/IEC保護等級8級(IPX8)相当 |
防塵機能 | JIS/IEC保護等級6級(IP6X)相当 | JIS/IEC保護等級6級(IP6X)相当 | JIS/IEC保護等級6級(IP6X)相当 | JIS/IEC保護等級6級(IP6X)相当 |
大きさ | 幅×高さ×奥行き | 幅×高さ×奥行き | 幅×高さ×奥行き | 幅×高さ×奥行き |
CIPA準拠 | 113×66×31.9 | 113×66×31.9 | 118.8×71×41 | 122.5×61.5×29.5 |
質量 | 250g | 250g | 318g | 195g |
CIPA準拠 | 電池・カード含む | 電池・カード含む | 電池・カード含む | 電池・カード含む |
防水 | 水中15m防水 | 水中15m防水 | 水深5mで2時間撮影可能 | 水中14m防水 |
耐衝撃 | 2.1m耐衝撃構造 | 2.1m耐衝撃構造 | 2.0m耐衝撃構造 | 1.6m耐衝撃構造 |
特色2 | 広角 | 広角 | 乾電池 | コンパクト |
特色2 | GPS有 | 丈夫そう | 一番安い | |
公式 | 71,280 | 55,080 | 99,000 | 35,100 |
アスクル | 71,280 | 55,080 | 73,224 | 不明 |
アマゾン | 65,600 | 47,900 | 55,011 | 27,762 |
オリンパスのデジカメの比較表
TGー5工一郎とTough TGー5の違いを表にしてみました。
項目 | TG-5 工一郎 | TG-5 |
---|---|---|
(一般モデル) | ||
電源 ON 時の | CALS | L |
画像サイズ初期設定 | (1280×960 ピクセル) | (4000×3000 ピクセル) |
選択できる | CALS / CALS H / L | S / M / L |
JPEGサイズ設定 | ||
RAW 画質モード | なし | あり |
工事写真用 | [工事写真クリアモード1 / 2 / 3] | なし |
撮影モード | [スローシャッター] [資料モード] | |
[屋内撮影] [パノラマ] | ||
日時設定関係 | 日時設定をしないと撮影できない | 日時設定をしなくても撮影できる |
(日付設定忘れ防止) | 地域 / ワールドタイム機能なし | 地域 / ワールドタイム機能あり |
撮影時静止画録音 | あり (撮影後 4 秒) | なし |
オリジナル画像判定 | あり | なし |
写真振り分け機能 | あり | なし |
(対応ソフトウェア) | (蔵衛門御用達12~17 が対応) | |
罫線表示 | 方眼 (朱色) | 方眼 / 黄金分割 |
黄金分割 (グレー) | (いずれもグレー) | |
表示言語切替 | 日本語のみ | 日本語/英語含む 34言語 |
カメラ保険 | あり | なし |
おすすめポイント・ランキング
4機種それぞれのおすすめポイントです。
【オリンパス】TG-5工一郎
私はコレを使ってます。少しでも広角レンズがよいと考えました。また、工事写真ソフトで『蔵衛門』をお使いでしたらこれでしょう(連動できます)
GPS機能(緯度経度表示)もあります。必要なら便利ですが、充電バッテリーの消費ははやいです。
【オリンパス】Tough TGー5
cals対応の専用設定機能はありませんが、工事用カメラとして何も問題ありません。広角がいいけど、上記の工一郎はチョットとお考えなら、これでしょう!
また、水中写真用なら、専用の水中カバー(別売り)を購入されたらベストです。
【リコー】G800
昔のコニカの定番『現場監督』を連想します。1番丈夫そうな雰囲気です。乾電池が使える工事用デジカメをお探しなら、これ一択です。
【リコー】WG-50
電子納品対応カメラで、もっともリーズナブルです。カメラを壊してしまい、自腹で買わなければいけなくなった方は、とりあえずコレにしてください。
安いからといって、まったく遜色ありません。1番コンパクトなので、ポケットにしまうのも簡単です。他のデジカメを買うつもりなら、このリコーWG-50は、2個買えますよ!
おすすめランキング
トータルバランスで選ぶなら、【オリンパス】TG-5工一郎
安さで選ぶなら、【リコー】WGー50
乾電池式が便利とお考えなら、【リコー】G800
広角カメラがよいとお考えなら、【オリンパス】Tough(タフ)TGー5
上記の4機種は、すべて、国交省の電子納品CALSの工事写真管理基準
有効画素数は、黒板の文字及び撮影対象が確認できることを指標(100万~300万画素程度=1,200×900程度~2,000×1,500程度)として設定する。
平成28年3月
に対応した、現場監督が工事現場で使用できるcals対応デジカメです。
以上となります。
アスベスト比?
アスペクト比と言う言葉なら知ってますが・・・
榊原様、ご指摘ありがとうございます。「アスペクト比」ですね。
アスベストは石綿です。
アスペクト比が違うと工事写真整理しにくいです。反映させていただきました。