さて問題です。土の比重と単位体積重量の違いはわかりますか?私は厳密にはわかりません。ここでは学術的なことはおいておきます。
要は土砂をダンプトラックで運搬する際、「過積載はしていません。積載重量を管理していますから大丈夫です」と言いたいのです。
その根拠として、土の比重(単位体積重量)を簡単に測定する方法の一例を書き残します。同じ材料でも締め固めた土とほぐした土(土砂)では、当然値は違ってきますね。
私が測定した材料の土質は粘性土で、ダンプトラックに積込む場合、多少バックホウで押えるので、多少締め固めた土砂の試料を採取しました。
あとは各現場にあった方法でアレンジしていただければ幸いです。
【求め方】測定するために用意したもの
結論は、採取した試料の重さを容器の体積で割ると単位体積重量を求めることができます。単純に考えました。細かいことはおいておきましょう。
- はかり
- 容器(スプレー缶のフタ)2個
- 水
- へら(ケレン棒)
はかり
1のはかりは5kgまで測れる電子ばかり(最低目盛5g)を使用しました。別に電子秤でなくてもいいです。ただ写真の見栄えとしたら電子秤のほうが良さそうです。
また、最低目盛は1g単位のほうが精度は高いです。私は持っていなかったので・・・それと今回の方法だと総重量は500g程度測ることができれば十分です。
スプレーの缶を2個
2の採取した試料を入れる容器として、スプレー缶のフタを2個用意しました。これを思いついた時「これだ!」とガッツポーズをしたいぐらいでした。このスプレー缶のフタには穴があいていて空気が抜けますよ!
水
普通の水道水を用意しました。スプレー缶のフタの体積を測定します。水の温度は気にしていません。常温で見た目透明な水です。
ケレン棒
試料をフタに目一杯採取して、写真写りがいいようにこのケレン棒ですりきり一杯にするために用意しました。なんでも構いません。
以上、このくらいの材料があれば30分程度で、土の比重(単位体積重量)を測定し、写真管理することが出来ますので、お試し下さい。
測定方法
- スプレー缶のフタの重さ(重量)をはかる
- 水をいっぱいに入れ重量(体積)を測定する
- 土砂を採取する。
- フタに擦り切れいっぱいにする。
- 総重量を測定する。
- 比重(単位体積重量)を計算する。
フタの重量を測る
これは単純に測ればよいだけです。私が使用したフタは15gでした。(5g単位しか測定不能なのでしょうがありません)
蓋の容量の重量(体積)求める
限りなくすりきり一杯にしてください。表面張力とか無視です。重要なのは写真で見て間違いなく容器の体積を図っていることがわかれば良いのです。あと水は1gを1cc(1cm3)で測定しています。
尚、私が測定した蓋には穴が開いていましたので、セロテープで十字に止めました。これで5分位大丈夫です。(セロテープの重量が気になる方は考慮してもいいですね)
これで容器の体積が求められました。次にいきます。
土砂を採取します。
採取する土砂に蓋を押し付けます。そうするとある程度締め固めた状態で土砂を採取することが出来ます。その際、蓋に開いた穴から空気が抜けてちょうどいい感じになりました。
採取試料を容器いっぱいにする
ヘラ等を使用して、フタいっぱいで土砂を取り除きます。その際、フタの周りに付いている土もきれいに拭き取って下さい。
総重量を求めて写真撮影をする。
土砂の重量測定をしたら、単位体積重量(比重)を計算し、写真撮影をして終わりです。
尚、運搬する土砂が砂質土か粘性土なのかによって、単位体積重量は変わってくるので、写真を撮る前にその値で根拠としておかしくないか考えてみて下さい。
私の測定結果は、1.4t/m3程度(粘性土)でした。
ちょっとした工夫
私は、この方法で2つ試料をとりました。別に1個でも構いませんが、3個の供試体をとり単位体積重量(比重)を計算し、その3個の平均を使用してもいいかもしれません。手間はそう変わりません。
今回使用したスプレー缶のフタは穴が開いており、これが「空気抜き」の役目を果たしてくれるのでこのフタの使用は名案だと感じています。
尚、もし複数供試体をとるなら、色の違うフタを使ってみて下さい。写真ばえしますよ。
最後に
目的は、ダンプトラックでの土砂運搬時の過積載防止の根拠がほしいということなので、計算した単位体積重量(比重)から、最大積載量を考慮し、ダンプトラックに何m3積むことが可能かを求めて計算して下さい。
そして、ダンプトラックの荷台寸法より、最大積載高を計算し、マグネット等により最大積載高を明示して下さい。
そうすることによって積込んだ土砂が、間違いなくそのダンプの最大積載量以下であり、過積載防止の証明となります。
以上が現場で土の比重(単位体積重量)を求めて、簡単に測定する方法の一例です。
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